東北新幹線の次世代モデルの一環?
さきほど、JR東日本が山形新幹線のE3系1000・2000番台の置き換えとして2024年からE8系を投入すると発表しました。
写真は掲載しませんが、新型車両はE5系やE6系の色違いを作ると言ったものではなく、E8系のために新たな形をした車両を作るということです。車内はE7系と似たかそれより進化したところで、
①全席にコンセント
②大型荷物置き場を全車両に設置
③車椅子スペースの充実
を計っています。大宮ー福島間ではE5系はやぶさ号と連結して時速300kmでの走行を予定してるとのことです。
現在、山形新幹線に乗り入れるE3系は東京ー福島間において一部単独の7両編成で走行するのをのぞいて、E2系と連結してるのですが、
「E5系の300km/h運転」を公表してるのはE2系を東北新幹線から引退させる計画も進んでるのかもしれません。どっちにしろE2系1000番台は先が長くないと思います。
また、JR東日本は新型車両の導入と同時に福島駅の新幹線配線を改良するとも発表しています。E8系のデビューも山形新幹線の新型車両も東北新幹線の次の世代をつくる、計画の一環でしょう。
東北新幹線のさらなる高速化
東北新幹線は宇都宮ー盛岡間でE5系・E6系が320km/h運転を行なっており、これは東海道・山陽新幹線よりも最高速度が20km早く日本最速となっています。
東北地方は全ての県庁所在地まで新幹線が整備されており、飛行機とのシェアも圧倒的に鉄道が勝っています。ではなぜ、速度引き上げを試むのか。それは、北海道新幹線の開業です。
北海道までの鉄道利用を増やす
2016年3月26日、新幹線が海を渡り新青森ー新函館北斗間で北海道新幹線が先行開業しました。開業当初の東京ー新函館北斗間の所要時間は4時間2分。決して早くはありませんが、函館への日帰り旅行なら可能な範囲となりました。北海道新幹線のその後ですが、
利用者の低迷
北海道新幹線が開業したはいいものの、それは「函館周辺」という広い北の大地からした一部の地域。他の札幌や道北、道東へは圧倒的に早い旅客機が便利で、開業後は乗車率が20~30%となっています。JR北海道は「経営改善の切り札」を北海道新幹線函館開業ではなく、
''札幌まで延伸する2030年''
としています。函館までなら客を採れないけど、札幌まで伸ばせば期待がある。とのことでしょう。
東京ー札幌間の予測所要時間は4時間40分となっているます。この時間で走るには…
①東北新幹線内は最高速度320km(今まで通り)
②青函トンネル内を260km/hで走行
③新線区間も260km/h
青函トンネル内は現在の130kmから貨物列車やその他改良を加えて260kmまで引き上げても、札幌まで4時間。2時間半で北海道に行けるうえ、LCCを使えば費用まで抑えられる飛行機に勝てるとは思いません。青函トンネル高速化は実現に動いていますが、まだJRは高速化のための計画があります。
東北新幹線と新函館北斗ー札幌間で360km/h運転をすることです。
北海道新幹線は整備新幹線で法令上、260km以上での運行は出来ませんが、JRは国交省に時速360kmで運行できるよう建設するため申請を出しました。この区間の高速化で「5分」の短縮に繋がります。東北新幹線で360km/h運転ができるのは、宇都宮ー盛岡間です。この区間の速度引き上げによって、現在、東京ー札幌間の平均速度は200~210km/hでこれを230km/hまで引き上げたら、「4時間30分」
250km/hまで引き上げたら「4時間10分」となり飛行機と競争できる時間帯までになります。そのため、JR東日本は高速化に熱心に取り組んでます。次世代モデル車両であるアルファーXが走行してますが、まだ課題が。ここに新型車両を製造する理由があります。
車両の高速化ばかりやれば良いという訳ではない
車両の高速化ばかりやっては、絶対ダメです。360km運転のため、JR東日本が一番ボトルネックと思ってるのが、福島駅でしょう。
福島駅の配線図を簡単に、書きました。
この写真は、東京方面からやってきた山形新幹線に向かう車両の走行位置です。福島駅に入る前、通過線から分岐して一番端のホームに入ります。ここで、やまびこ号と切り離し山形線へ合流します。下り列車は問題ありません。
こちらが、東京方面上り列車になります。山形線から分岐したE3系はさっきの14番線に入線。連結を済ませたあと、下り線を少しばかし逆走して、上り線へ転線します。どこが問題なのか。
ここが問題なのです。
山形新幹線の車両がこの線路を渡ってるとき、下り列車は通行を妨害されるため、走行できません。普段は山形新幹線が線路を渡る前提でダイヤが組まれてるので良いのですが、遅延したときは大変です。遅れて新幹線がやってきた場合、本当は山形新幹線のために進路を妨害されず通過・ホームに進入できるはずだった車両は足止めを食います。電車は車のようにすぐ加速できません。ここでも、遅れが生じます。この配線図の改良計画がでてますが、こちら。
山形線から分岐する赤い点線は東北新幹線の高架を潜り、11番線ホームに到着します。これで、下り線に干渉せずに済み、遅延発生時も影響を抑えることができます。
やまびこ号の待避を最小限にしたい
やまびこ号やなすの号ははやぶさ号のために、終点までの間に通過待ちが発生します。もし、360km/hまで引き上げられることになると、
はやぶさ号の速度が上がる→やまびこ号やなすの号にすぐ追いつく→やまびこ号やなすの号の通過待ちが多くなる
はやぶさ号に乗ってる人からしたら通過待ちなどどうでもいい話ですが、もちろんやまびこ号やなすの号の乗客は、目的地までの所要時間が伸びるので、良いことなど人もありません。そのため、
「E8系を投入して、やまびこ号やなすの号も300km運転して、はやぶさ号から長い間逃げ切れるようにしよう」ということです。
これで、高速化によって通過待ちが増えるのを防ごうという対策でしょう。
さいごに
今回はE8系デビューすることについて書きましたが、これも全て東北新幹線の高速化をするプロジェクトの一環だということです。
E8系の導入は、走行開始から年月が経ってるE3系を置き換える目的もありますが、JR北海道が社運をかけて行なってる北海道新幹線への協力でもあるのです。
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