Kiyublog

このブログでは私自身の旅行記(長期連休が終わると投稿します)や関東甲信越地方の鉄道機関、空想都市についての記事をアップしてます。

【長野県の新鉄道路線】上田松本線を開業させたらどうなるのか

沿線人口だけではちょっと…周囲を巻き込めば効果大

f:id:kiyucom:20200328163158p:image(自作)

私は前々からずっと思ってることがあります。それは、上田松本間の鉄道路線を開業させるということ。

つまり、長野県を南北に走る鉄道はたくさんあったが、東西に走る鉄道はこれが初めてに近い感覚ではないでしょうか。

今回は私が、上田松本間の鉄道路線を開業させたらどんなことが起こるのか・どう開業させるのかが一番良いのかを自分なりに考えていきます。

 

目次

 

 

主な路線概要

計画も一ミリも動いてないのに、路線概要なんて空想鉄道でもやるのか!となりますが、私も鉄道オタクということのうえ、この記事やそもそも私のブログを見てくださる方にも、鉄道好きな人が多いことですから、オタク気質な解説にはなりますが、よろしくお願いします。

 

区間

この路線の区間は、大まかに言うと「上田市から青木村を経由して松本市へ至る路線」となります。上田市松本市というと、起点はそれぞれ上田駅松本駅って思われるかもしれませんが、私はそのような考えではなく、上田市側は大屋駅松本市側は松本トンネルが国道19号線と合流する松本市平瀬周辺に、信号場を設け、松本駅へ至るには篠ノ井線と合流するか新線を加えて並走する形を考えます。

写真(Googleマップ)

f:id:kiyucom:20200327160149j:image

 

一方上田市側の起点大屋駅で、しなの鉄道から線路を分岐する形で、大屋駅を出発後、地下線を通り上田駅に到着。上田駅から上田原や青木に向かいます。松本駅上田駅が起点ではダメなのでしょうか。これはつぎへ。

 

②運行形態

この路線を開業させることによって得するのは、今まで鉄道空白地帯だった沿線住民だけではありません。不便で移動に時間を要した、長野県の東西の移動にはこの鉄道を使い、短時間で気軽に東へと西へと行くことができるようになります。そのため、

上田市側はしなの鉄道松本市側は大糸線篠ノ井線と直通運転できる形に建設するべき。

直通運転する前提の上、運行形態を想像してみてください。これによって、軽井沢ー上田ー青木ー松本ー塩尻のような運行も可能になり、今のようにしなの鉄道篠ノ井線を使って、大きく遠回りする必要も無くなります。都市間の移動も自動車が高い長野県ですが、子供や高齢者のように1人だと運転ができない人々の移動方法を改善する機会にもなります。

本題のなぜ、大屋駅と平瀬付近が分岐と合流の地点にするべきなのか。これは、直接JR線やしなの鉄道の線路に繋げることによって、直通運転を行いやすくするためです。

上田駅松本駅周辺は、開発が進んでいたりし、このような設備を整えるのに労力を伴うため、比較的に市の郊外に建設しようとのことです。

③路線規格

線内は踏切が一つもない、高架線やトンネルを多用した路線を建設します。そもそも、ここ3〜40年間で開業した路線は、モータリゼーションによる自動車増加の間の開業。法律で踏切の新設を厳しく制限されだした時期でもあります。JRで言うと、湖西線武蔵野線京葉線などに乗車をした方なら、線内に踏切が一切無いことが思い浮かぶのでは無いでしょうか。線形も比較的直線にして、緩やかなカーブなどで建設して、高速運転をできる環境を整えることもできます。

 

④特急

f:id:kiyucom:20200327162157j:image

このような高規格路線を作るなら、性能を十分に発揮でき、沿線にもメリットをもたらす車両を走らせるべき。特急しなの号の一部を松本から上田方面へこの路線を通って運行するのもいいでしょう。特急しなの号に投入されている383系は、カーブや急な勾配が多い中央西線の所要時間短縮のため、開発された車両です。ご存知のない方のため説明を加えるとするなら、日本の主な在来線幹線は一応カーブの基準値が半径600m(首都圏で半径600mのカーブがある代表例を挙げると東海道新幹線武蔵小杉駅周辺)となっており、中央西線もこの一つ。このカーブを通るときには、街でよく見る電車たちは平均して時速80〜90kmにまで速度を落とさないといけませんが、この383系は自身の最高速度より10km遅い時速120km/hという速度で走ることができるのです。

上田松本線を高規格で建設するというあたりから、383系だけが持っている特別な技術をふんだんに発揮することはないでしょうが、今までは中京圏と一本で繋がってたのは、松本や長野だけでしたが、上田周辺、場合によっては小諸や軽井沢もその対象に含まれるでしょう。

 

中京圏ー東信地域は、自動車を走らせるにしろ、高速道路なら長野市まで遠回り、三才山トンネル(松本ー上田)や新和田トンネル(岡谷ー長和)を使ってショートカットしても、山道を走ることが求められます。高速バスも無いので、特急しなの号の運行範囲を長野県東部まで伸ばせば、シェアをほぼ奪い取ることも可能では無いでしょうか。

 

メリットとデメリット

1.メリット

①広範囲の地域で、大幅な所要時間短縮

今は、例を挙げて上田市から松本を超えて飯田市まで移動するとしましょう。上田からしなの鉄道に乗車して篠ノ井で、篠ノ井線に乗り換え松本や岡谷で飯田線に乗ってここからさらに南下……

乗換案内で検索すれば分かりますが、さっと5時間はかかります。そのうち接続時間にもよりますが、上田ー松本間で1時間30分から2時間はかかります。しかし、この区間を上田松本線に乗車することによって、距離も半分以下になることを見積もると、45分から1時間、高規格路線である前提でやると、30分で走破することも可能でしょう。松本ー飯田は平均所要時間が3時間ですから、最速3時間30分とすることもできます。路線開業によって、速達列車を出せば更に早いでしょう。

上田ー飯田間は距離も180kmあります。このように遠距離の乗車でも、試算すれば大幅な時間短縮を実現できるかもしれません。

 

 

②長野県の半分が沿線人口⁈

この見出しはおおげさかもしれませんが、需要供給を考えれば、間違ったことは言ってないと思います。

長野県の文化や、人の移動、交流を踏まえて、東西に分けると赤い線のようになります。北信・東信地域と中信・南信地域で分かれます。

f:id:kiyucom:20200327170104j:image(Googleマップ)

 

この赤い線を跨ぐ路線は篠ノ井線ぐらいしかありません。篠ノ井線はそもそも中信地域と北信地域を結ぶ路線で、東信地域は乗り換え上可能なものの、直接的な目的地ではありません。中信ー北信(篠ノ井線)、北信ー東信(しなの鉄道)はあるけれど、中信ー東信地域間を結ぶ路線は存在しません。東信地域って、北信や中信に比べると、人口も少なくて経済規模も小さめに思われ鉄道を通す価値あるのか?ってなるかもしれませんが、東信地域の市町村を合計すると人口は37万人(長野市と同等)もいる上、観光客でごった返してる軽井沢町や新幹線も走ってるので、決してそんなことはありません。県の人口で半分はいるであろう中信・南信地域と、新幹線がある東進地域を結ぶ鉄道路線が有れば、沿線人口関わらず県内から利用客が常に押し寄せて、県内の主要幹線にのし上がることだってあり得ます。たった3〜40kmの鉄道ですが、県内の経済に与える影響は大きいことです。

 

メリットは、路線概要でも触れているため、この辺にしておき、次はデメリットや問題点を見ていきましょう。

 

2.デメリット・問題点

 

①建設費がめっちゃ高い

建設費がものすごく高いです。要因をまとめればこのようになります。

 

  • 高規格な路線にするため比較的直線の線形を選んだ結果、青木峠で長大トンネルを掘削する必要がある。(10km以上はあると思う?)
  • 土地や地形の関係上、大屋を起点に選んだ場合、大屋ー上田間という開発が進んだ地域で、用地買収や建設工事を行う必要がある。
  • 上田ー青木村にかけても、用地買収が難しい。

 

いま言うのか!って思われますが、上田松本線の計画は戦前から戦後にかけて存在しました。免許も取得したのですが、山間部のトンネル工事を行うための高い技術を当時持ってなかったこともあり、頓挫したのです。戦後、浅間温泉と松本駅の間を走る路面電車がありましたが、これも上田松本線の松本市区間だけ開業させたという形を取っているのです。

 

松本市内は大体の区間ですでにある線路を(篠ノ井線)共用するなど、費用削減方法はありますが、用地も設備も何もない上田市内は、用地買収に住民の協力が得られるかどうかで止まり、反対運動にもあったりすれば、工事は難航するでしょう。

地方の鉄道としては、類を見ない建設費がかかりそうです。

 

②誰が運営するの?

需要はあるかもしれないけれど、地方にしてはおかしいほど高い建設費を持って運営しようとする団体・企業は現れるのでしょうか。

そもそも、日本国内にある鉄道会社はどのようにして誰が経営・運行を行ってるのか見ていきましょう。

 

②ー1 第一セクター(特殊企業)

~100%国や県、市町村が出資してるけれど、行政機関が運営するよりも社長がいて社員がいる会社のような性質の企業を言います。なぜ会社のような状態で設立するのかと言うと、これらの企業はいずれ民営化して民間企業になるという前提であるから、それは会社性質の方がいいですよね。

特殊企業の例~NTT、日本郵政東京メトロ北海道旅客鉄道四国旅客鉄道日本貨物鉄道など

  • メリット~行政の持ち物なので、利害をそれほど考えず、利用者が優先のサービスをできる。
  • デメリット~逆に利益追求をしないので、サービスの質が低下する。

 

②ー2 第二セクター(民間企業)

~民間企業は、100%出資を民間で行ってる企業のこと。公的機関に属さず、営利を目的とした経済活動を行います。日本にも沢山ありますよね。

 

民間企業の例~トヨタJR東日本楽天ソフトバンクJTB資生堂……挙げればキリがありません。

  • メリット~競争原理が動くため、積極的に投資を行い、利用者により良いサービスを提供しようとする。
  • デメリット~「株式会社」は投資してその会社を買った「株主」のものであるため、会社は株主から委託して事業を行なっている。株主の意向や経済的効率が優先されて、利用者にとって良くないことが起こることも。

 

③ー3 第三セクター

第三セクターは、国や県、市町村といった行政と、民間企業が合同で出資して設立する会社です。簡単に言えば、行政+民間企業=第三セクターとなるのです。出資額が行政は半分、企業も半分でも3セク、行政が1%、企業が99%でも3セクです。

 

第一セクターは行政が会社形態で運営している、

第二セクターは民間企業。企業が歩んだ道を描いた漫画も最近流行ですよね。皆さんも見たことあると思います。

第三セクターはこれぐらいじゃ説明不足で、まだよく分からない!という方も多いのではないでしょうか。3セクについてはもっと具体的に解説します。

3セクを具体的に解説するのは、構造をよく知らない方が多いからというのもありますが、上田松本線が出来るなら運営方法を第三セクター形式にする可能性が高いからです。

 

第三セクターの聞くとニュースで流れることが多いように、「赤字」「経営が苦しい」などネガティブなイメージを持たれる方もいると思いますが、これにも理由があります。今からこれを解説します。

 

 

第三セクターの誕生経緯から赤字が続いてしまう理由となるのが多いです。一つ目に、国鉄やJRの赤字路線を引き継いだこと。

JRや国鉄時代から赤字が続いていて、経営にも影響が出るので、廃止や路線縮小して処分したかったのですが、廃止を許さなかった沿線が、自治体と手を組んで路線を引き継ぎました。元々利用の少ない路線でしたので、3セクにしても赤字状態となってしまうのです。

 

二つ目に、新幹線の開業。

新幹線開業前になると、「並行在来線」に関係した報道もよく行われます。東海道・山陽・東北(盛岡以北は例外)・上越・九州(例外あり)新幹線は、開業後も在来線は継続してJRが運行してますが、「整備新幹線」に分類され建設がされた、東北(一部)・北海道新幹線北陸新幹線九州新幹線(一部)は、新幹線開業と同時に、並行する在来線の運営をJRから第三セクターに移管することになっています。

在来線に長距離を走ってた特急が新幹線に置き換わり、長距離から地元密着の輸送ができるのは、良いこともあれば悪いこともあります。

いいことは特急列車が廃止されたので普通列車を増発できて利便性を高められること。悪いことは沿線人口が少なければ稼ぎ頭であった特急が無くなりその路線の売上が大幅に落ちることです。3セクに移管された在来線がどっちの運命を見るかは状況次第ですが………

 

三つ目は国鉄以外の会社線を引き受けて運営してる例。

地下鉄や私鉄が延伸するために計画してて、建設中だったけれど中止になったりしたのを引き受け工事を進めて開業させたことです。

都心にも結構あり、東京メトロ南北線と乗り入れをしてる埼玉高速鉄道東京メトロ東西線の乗り入れをしてる東葉高速鉄道ゆりかもめが有名です。

 

これら以外にも、貨物鉄道を運営するために設立した例や私鉄の廃止対象だった路線を引き受るために設立したケースもあります。

誕生経緯を見ても設立理由が悲しいものが多いですが、メリットもたくさんあります。行政と民間企業が合同で運営してますからお互いの良いところを共有して悪いところを補うことができます。

例えば行政が沿線に学校を移転させたり、公園を作ります。するとそれらの施設を利用するために利用客も増えると思います。これを数回実施して、利用客増加に成功した鉄道会社があります。青森県区間東北線を引き受けた青い森鉄道です。青森県が、沿線にある5〜6の高校を沿線に移転させて、路線の全体的な利用増加、乗降客が少なかった駅も朝夕方は、学生で賑わっていることも。

行政は会社を運営するノウハウやコツを、企業から教えてもらうこともできます。改札の簡略化、サービスの縮小、ワンマン運転など企業が得意とする経営を調整できます。

 

デメリットは、運賃が高いことでしょう。これも利用客が少なく経営が決して楽ではないので仕方がないことです。第三セクターを高いとただ言ってる人も、こうした事情を知るべきと思います。

メリットで半官半民の経営方法のため、お互いの良いこと悪いことを共有して補えると言いましたが、これもバランスが取れてないとなかなかできないことです。行政からやってきた人ばかりで会社は成り立たないし企業からやってきた人ばかり会社に来ても3セクの意味が無くなります。これを実現するにはバランスをどう取るかが重要です。

 

結論

 

いくら周りを巻き込めば利用が増えるといい、沿線のことを考えるのも重要です。山岳地帯が多く人口がそれほど多くない上田松本線を運営するには、第三セクター方式がふさわしいように感じます。

需要があるとしても多額の建設費がかかる事業です。民間だけで運営して出資が集まるとも思わないし、行政だけで会社をやってもお役所体質が抜けずに上手くいかないのでは?と思います。沿線は鉄道が無い空白地帯がほとんどですが、開業したらたくさんの人を呼び込めるのではないでしょうか。

 

さいごに

この世に存在しないものについて語りましたが、どうでしたか?

ここまで計画を考えてる方がほかにいらっしゃるか分かりませんが、Twitterを見てても長野県のこの区間の移動をもっと改善する声も見ますし、少なくともこの路線を作る需要はあるのではないかと思います。長野県に住んでる方でこの記事を読んでいただけたなら、上田松本線の需要について少しでも考えていただけたら幸いです。

ありがとうございました。

 

SNS

 Twitter

普段使ってるアカウント→ @kiyu_blog

サブアカウント→ @kiyu_blogsub

長野県鉄道グループ(上田松本線と関連のある架空鉄道グループ。いずれ路線図も公開予定。)→ @NAGANO_RG