Kiyublog

このブログでは私自身の旅行記(長期連休が終わると投稿します)や関東甲信越地方の鉄道機関、空想都市についての記事をアップしてます。

【180度違う】路線図から見る、地下鉄路線の2つの特徴

こんにちは。

本当ならば、都市内のターミナル駅の機能を一か所に集中させて、そこであらゆる交通機関を設置させた方が、乗り換えも楽で、事業者にとっても労力をここに注ぎ込むことができるので効率が良いのですが、用地買収や建設費の観点から、それは不可能に近いでしょう。

複数に振り分けられたターミナル駅を、効率よく連絡するために出来上がった路線網の特徴を解説したいと思います。

 

 

タイトルにもある通り、今回は(地下鉄じゃなくてもそうですが)巨大な路線網に必要

 な「2つの特徴」を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

 

目次

 

東京の鉄道網

今回この記事で扱う東京では、東京駅のほかに品川や新宿・上野・池袋・渋谷などに、ターミナル機能を振り分けて、新幹線や特急列車、通勤列車、私鉄各線の発着を忙しく行っています。

これらの都内の主要ターミナルを接続するように、山手線が走っているのは言うまでもないでしょう。

この流れが「都市開発の法則」であるかのように、

今回紹介する、東京の地下鉄事業を行っている、「東京メトロ」「都営地下鉄」の計13路線でも、

似たところが大変多いです。

効率よく運行・管理・利用するためにの最適な方法は何でしょうか。

 

 

東京の地下鉄

東京の地下鉄は、あらゆる面で世界トップの座に立っているのではないでしょうか。

2つの事業者によって運行されてる13路線が、面積が狭く人口密度が高い都内に張り巡らせてる事の他に、

利用客数・運行本数・経営面などのデータを数値で表しても、色々とすごいことになります。

 

 

東京の地下鉄の運営者

まずは、東京の地下鉄の基本について触れたいと思います。東京の地下鉄は先程のように13路線あり、二つの事業者によって運営されてます。このような形になってる都市も珍しいのではないでしょうか。

その二つというのは、会社である東京メトロと、公営の都営地下鉄です。

 

なぜこのようになったのかというと、東京で初の地下鉄となった銀座線を開業させた営団(諸事情がありますが今回は省略)だけでは、戦後焼け野原になってる東京の交通機関の復興が間に合わないということで、東京都も事業に加わっているからです。

決して両者が競合してるということではありません。

 

路線は、東京メトロの銀座線・丸ノ内線日比谷線有楽町線・千代田線・半蔵門線東西線南北線副都心線

都営の浅草線三田線新宿線大江戸線です。

 

主な歴史(営団東京メトロ)

日本初の地下鉄として1925年に銀座線が浅草ー上野間で開業しました。

その後は、戦争の激化で、工事や計画は凍結されますが、戦後間も無くに丸ノ内線が開業。

東京オリンピック頃には日比谷線が3年の突貫工事で完成。

その後も増える需要に対応するため先行開業した3路線と総武線のバイパスルートとして、

東西線千代田線有楽町線半蔵門線が開業します。

南北線が1990年代に開業し、2000年代に入ったところで、民営化され「東京メトロ」になります。

2008年には、副都心線が開業。同時に西武・東武との乗り入れを開始しました。2013年からは東横線も加わりました。

 

主な歴史(都営地下鉄)

今は首都圏の私鉄と共に、相互乗り入れを行っている、地下鉄路線はたくさんありますが、それの元祖ともいえる都営浅草線が、1960年に開業しました。

f:id:kiyucom:20200411231452j:image(浅草線の路線図。今は京急の他に京成・北総鉄道も加わり大規模なネットワークを形成してる。)

これで都心側のターミナルが品川で、中心部まで乗り入れるのが、長年の夢だった京急の願いもかないました。

2022年からは相鉄との乗り入れを開始する、三田線巣鴨ー高島平間が開業しました。

元は北総鉄道との直通計画もありましたが、結局は京王線と直通運転をすることになったため、軌間が地下鉄では日本雄一の馬車軌道となった新宿線が1978年に開業。

平均では東京の一番深いところを走行する、大江戸線。40㎞近くに及ぶこの路線は、1991年の光が丘―練馬間をはじめ、東の環状線部分まで約10年かけて完成しました。

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13路線の概要と歴史を簡単にまとめると、このようになります。

説明も兼ねてますが、前がだいぶ長くなってしまったので、そろそろ本題に入りましょう。

 

2つの特徴って何のこと?

この特徴って何のことを言ってるのか。

それは路線がどういう風にルートを辿ってるかということです。

 

この特徴はなぜ重要なのか?

なぜここに、スポットライトを当てたかというと、この特徴を生かせてるかどうかで、運営側は路線管理や保線作業が楽になるし、利用者も分散され利便性が高まるので、どちらにとっても都合がいいからです。

 

環状線

環状線型の地下鉄と言われても、「東京に山手線のような路線あったけ?」って思われますが、山手線のように「出発した駅に一周回ってちゃんと戻ってくる」形ではなくても、環状線の性質を持つ路線があります。

 

それが、丸ノ内線大江戸線です。

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路線図を見てもらえば分かりますが、山手線を全区間乗車するようなことをする人は我々のような鉄オタを除いていないと思います。

東京から品川、渋谷、池袋、田端を通って上野には行きませんよね。

ルール上、問題はありませんが、山手線が上記の区間の最短ルートになるわけではありませんので。

このように、環状線型の路線は長距離乗車する需要はほとんどありません。山手線も丸ノ内線大江戸線も又は全国にあるこのような路線も、

 

「乗った2,3駅先で降りる」乗客が多いのです。

 

都内をU字型に走っている丸ノ内線も、起点の荻窪と池袋をわざわざ遠回りはしないと思います。しかし、丸ノ内線大江戸線も、新宿や池袋、東京の他に地下鉄内で利用客が多い複数の駅を最短でアクセスしてるため、ターミナル機能を持つ駅同士を移動するための、重要な路線となっています。

 

放射線

 

さっきの環状型以外の路線が、こちらに含まれます。

 

東京の場合、山手線の外側又は山手線の駅を起点として、山手線内側のエリア(都心中央部)に入り込み、また山手線の外側や別の山手線駅に到達する経路を取ります。

東西線新宿線は、東京を抜けて千葉県の市川市船橋市要するに「郊外」と「都心」をつなぐ路線です。

f:id:kiyucom:20200411231432j:image(新宿線の路線図)

その他の東京都で完結する路線でも、銀座線は浅草から上野を通り、新橋や虎ノ門、赤坂を経由して渋谷に至ります。

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※「東京都心」と聞くと、東京都23区、山手線周辺全般を思い浮かべますが、定義上池袋・新宿・渋谷などの地域は「副都心」に当たるため、国会議事堂がある霞が関から銀座・丸の内・大手町などが「東京都心」です。山手線沿線はすべて中心では?との指摘を訂正するためにも、都心は以上の地域を指すということを書いておきます。

 

環状型路線が、短距離乗車需要が高いのとは逆に、放射状路線は、中心部と沿線地域をダイレクトに最短ルートとなるため、環状型よりは長距離乗車の多い路線になります。

路線距離が30㎞にも及ぶ、東西線は千葉県からの通勤客が多いので、1人当たりの乗車区間が長いと思います。

 

結論

いかがでしたでしょうか。東京のように、ターミナル駅が分散してる都市は、ほかの路線や交通機関に乗り換えるために、主要駅や沢山の路線と接続する環状型の路線は必ず必要です。もし無ければ、ターミナル駅を乗り継ぐ乗客が放射状の路線に集中して、大混雑します。能力を役割分担してる限り、それらの場所に橋をかけるような路線は必要なのです。

コロナウイルスが収まったら、東京の地下鉄に乗ってみてください。きっと面白いものが見られます。